明徳公園自然観察会
○日にち 2012.4.7(土)  ○二十四節気:清明(明治の文人・徳冨蘆花は、
著書『自然と人生』の中で「春来たりて、・・・和らかなる色の限りを尽くせる新芽
をつくる時は、何ぞ独り桜花に狂せむや」と表現し、新緑の林の美しさは桜に勝ると
賞賛。この時節の表現。) ※4/5〜19  
○月:満月 ※4:19   ○天気:晴れ  ○参加者 一般参加者:大人3名(男
性1名、女性2名) 指導員:3名(男性2名、女性1名)辻 愛子、森 功一、出口
愼治      
★植物:ユキヤナギ、ヒサカキの香り・雄花・雌花、ウスノキ、ウラジロノキ、ガマ
ズミ、ノキシノブ、ツルグミ、エドヒガンザクラ  ★昆虫:カブトムシの幼虫  
★その他:ハカワラタケ、カワラタケ、コサギ、アカガエルのオタマジャクシ、カナ
ヘビ

ユキヤナギの新緑のみどりと咲き始めた真っ白な花々。そのコントラストの清清しさ
に心に風が吹き抜ける。森の入口付近まで来るとヒサカキの花の独特な香りが鼻をつ
く。小さな花だが雄花はふっくら、雌花はベルのようで少し形も違っていた。臭いの
はどっち?との問いに、香ってみたら雄花の気がして、自分が女だからかむきになっ
て「雄花!」と叫んでしまった。それにしてもこの独特な香りを好きな虫もきっとい
るはずだが、どんな虫なのか一度お目にかかりたいものである。蓼食う虫もすきず
き。ウスノキの花はスズランに似てかわいらしく咲いていた。ガマズミの新緑も澄ん
だ緑で小さな花のつぼみたちをつけていた。森さんが手を伸ばし引き寄せて見せてく
れたウラジロノキの枝には乳白色で和らかな美しい幼い葉の姿。感嘆の声が上がる。
小池にはアカガエルのオタマジャクシが元気よく泳いでいた。彼らのうち生き延びら
れるのはごくわずか。共食いもあると聞き驚いた。毎年楽しみにしているエドヒガン
ザクラは今年も見事に花を咲かせた。花の可憐さに心奪われていたが、スケッチして
みて、ゴツゴツした幹や枝の力強さに支えられてあの可憐さがあることに初めて気が
つく。寝っころがっている森さんが子供みたいでおかしかった。スケッチでタンポポ
を描いた後にロゼッタの気持ちになっていたというのだ。自分もやってみると、なる
ほど、地面にへばりつくと風の抵抗を受けずポカポカしてとても暖かかった。スケッ
チ後には、それぞれの発見や感想の分かち合い。自分の感動を聞いてもらい、他の方
の発見も聞かせてもらう。共に受け止めあうこの時が改めて嬉しかった。わたしが大
事にしたいのは、この時間である。

◇参加者の声
・エドヒガンサクラ、ウラジロノキが印象に残った。 ・今年は春が遅いねとよく耳
にするが、花が咲いて春が来たという順番でいいんじゃないか。 ・ウスノキが咲い
ていた。 ・のんびり歩けて良かった。ウスノキ、ウラジロノキを覚えている。小さ
な芽吹きのガマズミも印象に残った。 ・初めて参加したが発見がいっぱいだった。
のんびり歩けて嬉しい。

※出口さんが毎朝1枚ずつ描いているスケッチの数々を見せて頂いた。毎日欠かすこ
となく自然のいのちと向き合い描かれたその積み重ねに、出口さんの圧倒的な「生」
のエネルギーを感じた。